睡眠と不眠の間に…!

皆さんよく眠れていますか? 眠れていない皆さんに、眠りのメカニズムと眠りの方法を解説します。

2017年05月

時差ぼけによる不眠




男性5



24時間社会



24時間社会になって久しい。



昔は夜にやっている店などなかったが、
砂金ではコンビニやファミレスなど
深夜にやっているのが当たり前になりました。


このような深夜に働いている人のおかげで
我々の豊かな生活が成り立っている。




因みにヨーロッパでは、
250年前に警察などが
夜間に活動するようになった。


それ故に夜にぐっすり眠れるようになったのだ。




日本でも江戸の昔から夜回りが行われている。





人が寝ている時間に働くことで、
ほかの人々の安心安全を確保している。


それ自体は喜ばしいものだ。









時差ぼけ!


24時間社会になると、
生活リズムが狂います。



人は太陽とともに生きています。



太陽が昇ると活動し、沈むと寝る。




そのための生活リズム
人間の体に息づいています。




人は起床により
生活リズムがリセットされます。


もう少し具体的に書くと、
太陽光を浴びると体内時計がリセットされます。


それから睡眠へのカウントダウンが始まり、
起きて16時間後に眠くなるのです。



だから生活リズムは大切ですが、
そのリズムを自ら壊すこともあります。



それが時差ぼけです。


ネコ8




時間調整!


体内時計は約24時間でリズムを刻んでいます。


しかし時差ぼけ=海外旅行は
そのリズムを壊します


それは私的でも仕事でも同じことです。
生活リズムを壊すのです。




先ほども書いたように
人は太陽とともに生活しています。



海外旅行を行くときは
最初出発地の時間に体内時計が同調しています。


しかし到着地では時間が違うため、
体内時計との齟齬が生まれます。


これが生活リズムを壊し、
体調への影響を起こします。


特に問題なのは眠れないことです。




これらは人が太陽とともに
約24時間のリズムで生活していたため、
仕方がなく起きることです。








西より東!


一般的に、西へ行くより、
東の方が時差ぼけは激しいのです。


その理由は
入眠障害が起こりにくいからです



24時に寝て、7時に起きる生活をしている人が、
時差8時間のヨーロッパに行くとします。


この時同様に24時から7時に眠ると、
日本時間では朝の8時から15時に寝ます。


これは早朝(朝8時)という、
内部体温が低い時間に眠ることになるので、
入眠障害が起きにくいのです。


ただし、日本の昼にかけて眠ることになるので、
睡眠の後半が浅く、中途覚醒は起こりやすい。





東に行く場合はその逆です。
例えば時差7時間の米西海岸へ行くときには
日本時間の17時から24時に起床します。


この時間はまだまだ活動時間なので、
内部体温が下がらず、なかなか寝付けません


その代わり睡眠後半はじっくり眠れます。




睡眠障害は入眠障害が主ですから、
寝付けないのはつらいことです。



時差ぼけは到着時間の時刻に
早く体内時計を合わせることです。



飛行機の中から
到着時刻に合わせた生活をしましょう。


ネコ5




寝ぼけについて




女性1





寝ぼけ!


人の睡眠にはレム睡眠ノンレム睡眠があります。



レムとはRapid eye movementの意味で、
日本語で「急速眼球運動」といいます。


急速眼球運動は寝ている時に瞼の下で
目玉がキョロキョロ動いている状態です。



これがあるのがレム睡眠で、
無いのがノンレム睡眠です。



レム睡眠が起こるのは、
脳が覚醒状態であるためです。


比較的浅い眠りで、体は寝ているのですが、
脳が起きている状態、これがレム睡眠です。




ノンレム睡眠は
急速眼球運動を伴わない睡眠です。



深い睡眠で、脳も休んでいる状態です。





このレム睡眠中にはを見ます。




夢を見るとたまに起こるのが

寝ぼけです!



寝ぼけはレム睡眠行動障害と言います。




ネコ3




前回書いたようにレム睡眠中は
情報が遮断されており、
体の筋肉も脱力して動きません。



しかし何らかの原因で夢を見ている時に
体が動くようになると寝ぼけを起こします。

このように犬も寝ぼけます。





人間の場合は65歳以上で200人に1人程度で
発生すると言われています。


比較的男性に多いのが特徴です。



実際の行動はどのようなものでしょうか?



入眠から1~1.5時間たつとレム睡眠に入る。

この時に症状が見られるようになる。

叫ぶ、大声で罵声を上げる、泣く、笑うなど。

両手で何かを探すような動作などが見られる。



時には殴る蹴るなどの攻撃的な行動、

動き回るなどの行動も見られる。


しかし激しい行動をしても覚醒することは少ない




このような行動は
レム睡眠が終わるとおさまります。


大体20~30分くらいです。


そのあとは再び安らかな眠りに
つくことができます。








子供の寝ぼけ


子供の寝ぼけはレム睡眠行動障害と違います。


子供の場合は睡眠時游行症と呼ばれます。


睡眠時游行症は
深い睡眠のノンレム睡眠の時に起きます


この部分がレム睡眠行動障害と違います。


この症状の時は目を見開き、歩き回ります。


ノンレム睡眠なので
夢を見ているわけではありません。



夜驚症という症状も同じく子供の寝ぼけですが、
こちらの場合泣き叫んだり、跳ねたりします。



いずれにせよ大人と同様

20~30分くらいで終わるのが普通です。



ネコ9






夢とはリハーサル?



女性6





情報の遮断!



人の睡眠にはレム睡眠ノンレム睡眠があります。




レムとはRapid eye movementの意味で、
日本語で「急速眼球運動」といいます。


急速眼球運動は寝ている時に瞼の下で
目玉がキョロキョロ動いている状態です。



これがあるのがレム睡眠で、
無いのがノンレム睡眠です。



レム睡眠が起こるのは、
脳は覚醒状態であるためです。


比較的浅い眠りで、体は寝ているのですが、
脳が起きている状態、これがレム睡眠です。




ノンレム睡眠は
急速眼球運動を伴わない睡眠です。



深い睡眠で、脳も休んでいる状態です。





レム睡眠中にはを見ます。


そしてもう一つ重要な特徴は
レム睡眠中は外界との情報を遮断しているのです。



脳波を見ると、
レム睡眠中は軽くまどろんだ状態です。


つまり簡単なショックで目覚めてしまいます。



そうならないように、
外界からの刺激を完全に遮断するのです。




例えば音は聞こえません。



外界からの振動で、鼓膜は振動するのですが、
内耳には「耳小骨」という骨が振動することで
音を伝えるのですが、


「耳小骨」は耳小骨筋という筋肉が
緩んでいるため音が伝わらないのです。




また体の筋肉は完全に脱力しています。


これは夢を見るため、夢に反応して
体が動くことがないように
体自身が防衛しているためです。



そのため起きるのが金縛りです。


金縛りで体が動かないのは
レム睡眠中で筋肉が脱力しているからです。





レム睡眠が覚醒状態に近い、
まどろんだ状態でも目覚めないのはこのためです。


ネコ2







夢体験はどうして必要?


外務から刺激を受けないレム睡眠中は
夢を見る素材は脳内から生み出される。


寝ている時は当然、視覚は働いていないのだから、
脳もその部分は動いていません。


しかし視覚に基づくイメージや意味を
認識する部分は活性化しています。



もう少し具体的に書くと、


ものを見ると、
情報を受け取って映像を
再構築する一次視覚野と、

その情報に基づいて
意味を認識する二次視覚野に分けられる。



夢を見ている時は
一次視覚野は機能していないが、
二次視覚野は活動しているのだ。



そのため夢は
実際に見ているように体験するのです。




ところでこういった夢を見ることは
どういう意味があるのでしょうか?






哺乳類も夢を見るとですが、
レム睡眠中の運動遮断をする機能を破壊した猫に
レム睡眠中の行動を観察した実験がある。


この猫は生まれた時から飼育されて、
捕食活動をする必要がなかったにもかかわらず、


身構えたり、捕食したり、
威嚇するなどの行動が観察された。




これは猫の危機管理をしているように思える。



フランスの脳生理学者ミッシェル・ジュヴェ教授は
レム睡眠中には人間も動物も共通の行動、
つまり危機対処のリハーサルをしていると考える。


いつでも行動できるように練習しているのだ。




そう思うと、
夢はいつも心地良いものではない
ことの説明も付く。



夢の研究は難しいが、
いつか解明される時が来るのだろうか?

ネコ9





朝型人間と夜型人間をわける違い




ネコ11




朝型と夜型!



朝起きるのがめっぽう強く、
午前中の能率が良い人は
夜遅くまで起きているのが苦手です。


逆に夜遅くまで仕事をすることが平気な人は
朝起きるのが苦手で、朝の能率は悪い。


このように生活リズムには
個人特性の一定のリズムがあります。



そして前者を朝型、後者を夜型と呼ぶ。
因みに朝型をヒバリタイプ、
夜型をフクロウタイプなどともいいます。



このような個人特性は
どのように生まれるのでしょうか?






睡眠研究の初期には、
性格との関係で調べられました。


その結果は朝型は几帳面だが、神経質。
夜型はむら気があるが、興味を持つと持続する
という性格的な違いが見られた。



これは質問票に則って、選択してもらうのですが、
個人の選択により誤差が出ます。


例えば自分は几帳面だと思ったが杜撰だったり、
持続力があると思ったが、移り気だったり、


個人の性格評価はあてにならないものです。


それ故に朝型夜型で
性格的な違いが明確に存在するかは微妙です。



ただ明確に違うものがあります。
それは生活リズムです。


イヌ1




生活リズムの違い!


人間の体温(深部体温)は24時間で変動します。


日中には37度以上と高くなりますが、
夜は36度台と低くなります。


日中は活動をしやすいように体温を上げ、
夜は寝やすいように体温を下げます。



この生活リズムが朝型と夜型では違います


夜型では、朝型と比べて、
夜の体温降下の時間が遅く、
朝の体温上昇も遅いことが報告されています。


朝型は逆に、朝も夜も早く体温の上下が見られ、
生活リズムが前倒しになっています。



そしてどうしてこのような
生活リズムの前後が起きるのかというと、
体内時計の周期に関りがあります。








体内時計の周期!



体内時計は時計遺伝子という
タンパク質の生成により決まります。


この生成がある程度増えると、
今度は作成を抑えようとします。


この繰り返しが時を刻んでいくのです。


これが24時間の周期を生みます。




このタンパク質の生成及び抑制は
当然のことながら個人差があります。


その個人差は体内時計の
周期の違いになって表れます。



そして体内時計の周期は24時間より長めですが、
それが非常に長いと後ろにズレやすく、
24時間に近いか短いとズレは少ないのです。



つまり体内時計の周期が24時間より遅いと夜型
24時間に近いか短いと朝型になるのです



通常、体内時計の長さが
24時間より短いケースはまれですが、
24時間に近いと、朝方になります。



因みに体内時計の周期は
24時間とずれているのが普通ですが、
朝起きる時に太陽の光を浴びることで
調整されます。



いずれにせよ朝型と夜型を分けているのは
体内時計周期のズレで、タンパク質の個人差です。


これが朝型と夜型をわける違いです。


男性1



ストレスがあると眠れないのはどうしてか?



ネコ11






ストレスがあると眠れない



前回、一晩眠ると技能が上がることを書きました。



一生懸命野球の練習をしていて、
その日はなかなか打てなかった。


しかし一晩寝て翌日になると、
急に打てるようになる。




ピアノの練習をしていて、
どうしても弾けなかったパートツがある。


しかし一晩眠ると弾けるようになっている。



これはどうしてか?




そしてイスラエルのカルニ博士が行ったテストから
寝くことで何らかのプロセスが起こり、
技能が上がることが示された。


ただし現在、そのメカニズムまではわからない


詳しく前回の記事を参照してください。
http://kaitekisuimin01.com/archives/21788204.html





今回は少し関連のある話で、

ストレスがあると眠れないのはどうしてか?

を見ていきたいと思います。








多くの人は嫌なことがあると
眠って忘れたいと思う調査結果があります。


しかしなかなかそうはいきません。



誰でも経験のあることだと思いますが、
不安やストレスが溜まっている時には
眠れないものです


気持ちとしては眠りたい、
しかし実際には頭が冴えて眠れない。



これはどうしてでしょうか?



ネコ8






元々のストレス



人のストレスとは本来、生命にかかわるものです。


太古の昔、肉食獣に襲われるとか、
自然の恐怖のような類がストレスでした。


こういうストレスにある時に、
ぐっすり眠ることが正しいのでしょうか


むしろ不安、ストレスがある時には
眠らないで警戒し、状況を把握しないと
生命を守ることができません。



そのため我々の祖先は

ストレス下には眠らない

という習慣ができたのです。







不快な記憶の定着を防ぐ!



2010年 日本の研究チームがある実験で
面白い発見をしました。


交通事故の映像を見させて、
健康人に仮想の事故体験をしてもらいます。


そして半分の人には十分眠ってもらい、
半分の人には徹夜してもらいます。



その結果はどうだったか?


徹夜した人は、眠った人に対して、
事故体験による恐怖感や
生理的ストレスが和らぐことが分かったのです。



この結果は、
睡眠によって昼間に体験した記憶
定着していることを意味します。



前回の記事にも書いたように、
練習したことができなくても
一晩眠ると技能が上がることがありますが、

これも睡眠による記憶の定着と
関係があるのかもしれません。



それと同様に恐怖の体験、ストレスを受けた経験は
睡眠をとると記憶に定着してしまうのでしょう。


それ故、恐怖やストレスによる体験をすると
不快な記憶による悪影響を避けるために
記憶に定着させないのではないか?



この考えは完全に立証されたものはないが、
体験的には正しいように思います。


女性1




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