◎ストレスがあると眠れない
前回、一晩眠ると技能が上がることを書きました。
一生懸命野球の練習をしていて、
その日はなかなか打てなかった。
しかし一晩寝て翌日になると、
急に打てるようになる。
ピアノの練習をしていて、
どうしても弾けなかったパートツがある。
しかし一晩眠ると弾けるようになっている。
これはどうしてか?
そしてイスラエルのカルニ博士が行ったテストから
寝くことで何らかのプロセスが起こり、
技能が上がることが示された。
ただし現在、そのメカニズムまではわからない。
詳しく前回の記事を参照してください。
http://kaitekisuimin01.com/archives/21788204.html
今回は少し関連のある話で、
ストレスがあると眠れないのはどうしてか?
を見ていきたいと思います。
多くの人は嫌なことがあると
眠って忘れたいと思う調査結果があります。
しかしなかなかそうはいきません。
誰でも経験のあることだと思いますが、
不安やストレスが溜まっている時には
眠れないものです。
気持ちとしては眠りたい、
しかし実際には頭が冴えて眠れない。
これはどうしてでしょうか?
◎元々のストレス
人のストレスとは本来、生命にかかわるものです。
太古の昔、肉食獣に襲われるとか、
自然の恐怖のような類がストレスでした。
こういうストレスにある時に、
ぐっすり眠ることが正しいのでしょうか?
むしろ不安、ストレスがある時には
眠らないで警戒し、状況を把握しないと
生命を守ることができません。
そのため我々の祖先は
ストレス下には眠らない
という習慣ができたのです。
◎不快な記憶の定着を防ぐ!
2010年 日本の研究チームがある実験で
面白い発見をしました。
交通事故の映像を見させて、
健康人に仮想の事故体験をしてもらいます。
そして半分の人には十分眠ってもらい、
半分の人には徹夜してもらいます。
その結果はどうだったか?
徹夜した人は、眠った人に対して、
事故体験による恐怖感や
生理的ストレスが和らぐことが分かったのです。
この結果は、
睡眠によって昼間に体験した記憶が
定着していることを意味します。
前回の記事にも書いたように、
練習したことができなくても
一晩眠ると技能が上がることがありますが、
これも睡眠による記憶の定着と
関係があるのかもしれません。
それと同様に恐怖の体験、ストレスを受けた経験は
睡眠をとると記憶に定着してしまうのでしょう。
それ故、恐怖やストレスによる体験をすると
不快な記憶による悪影響を避けるために
記憶に定着させないのではないか?
この考えは完全に立証されたものはないが、
体験的には正しいように思います。