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不眠の弊害



不眠症とは夜寝つきが悪い、眠りを維持できない、
朝早く目が覚める、眠りが浅く十分眠った感じが
しないなどの症状が続き、よく眠れないため
日中の眠気、注意力の散漫、疲れや種々の
体調不良が起こる状態を指します。




不眠症は直接死に至る病気ではありません。


そして直接症状が出るものでもありません。



例えば風邪などは熱が出て、気分が悪くなり、
業務に差しつかえます。


それ故に仕事を休むことも容認されます。




しかし不眠症の場合、
そのような好意的な反応ではありません。




むしろ

「やる気がない」

「遊んでいるからだ」


と言った、厳しい反応が見られます。





「風邪気味なので休みます」




とは言えても



「昨日眠れなかったので休みます」



とはなかなか言えないでしょう。






もちろん仕事が忙しくて、
眠る間もなかったなら、
そうではないのですが、


昨夜しっかり眠る時間があっても、
心配事があって眠れないというのでは、
理解されるわけがありません。




遊んでばかりいるからだ、
しっかり寝ろ!




そういわれるのがオチです。





しかし不眠症状は誰にでもあります。


そして不眠になるということは

大変危険なことなのです。



不眠がひどくなると、やる気を喪失して
うつ状態になることもあります。


うつ状態は何にもやる気が起きず、
厭世気分が蔓延し、自傷行為に及ぶこともあります。



これは本人だけではなく、
周りにも多大な迷惑をかけることになります。



たかが不眠と思うことなかれ、

不眠とは恐ろしいのです。



本人だけではなく、周りも不幸にする

恐ろしい病なのです。




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不眠の原因



不眠症の初期は、
何らかの原因によって発生します。




その原因には、

「心理的要因」や「身体的要因」など様々です。



しかし必ずしも同じ原因でも
症状が発生する訳ではありません。




同じ心理的要因=ストレスを受けても
不眠が発生しない人もいます。


これらは当然、個人差があります。






年齢による違い


そして個人差でも、年齢により差が出ます。



つまり同じ本人でも25歳の時と40歳の時では
ストレスに対する耐性が違うのです。



これは病気などでもそうです。



若いころには風邪をひいても
それほど大事にはなりません。


また風邪をひいてもすぐに治ったりします。



しかし年をとると比較的軽微でも発症します。


それどころか、治りにくくなります





もう少し年をとると、
風邪が原因で死亡することもあります。



このように年をとると
ストレスにも弱くなるのです。




これまでは問題なかったのに、
ある程度年をとると発症するようになります。







それは不眠に対しても同様です。



不眠は若いころにはほとんど発症しません。




しかし年を重ねると、
夜は眠りにくくなります。



これは成長ホルモンの分泌のためです。




若い時は多量の成長ホルモンを分泌する必要から、
夜はぐっすり眠れます。


それは成長に必要なためです。


寝る子は育つと言いますが、
全くその通りなのです。



しかし年を重ねると
だんだんその必要がなくなります。


それでも細胞(肌や髪など)の補修のため
成長ホルモンの分泌はあります。



でもその量が少なくなります。




そのため夜に寝る必要は少なくなるのです。





年をとると、夜中に2回目覚めることも
珍しくなくなります。


若い時はせいぜい1回ですから、

年をとると眠りにくくなるのです。



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不眠の慢性化



ところで不眠になる原因は人により様々ですが、



不眠が一時的なものであれば、
それほど問題がありません。





つまり「仕事が忙しい」「人間関係で悩んでいる」
などの一時的な理由で不眠になっているのなら、
それほど問題はないのです。



理由が明確ですから、

その理由が取り除かれれば、
よく眠れるようになります。




例えば仕事が問題なら、職場を変わればよいし、
人間関係なら、その上司が異動すれば
問題は解決します。



それで治ってしっかり眠れるのなら、
それに越したことはありません。






しかしそれが慢性化すると
問題が複雑化します。




つまり「原因→不眠」だったものが、

不眠→慢性化」につながるのです。






多くのケースで見られるのは
「急性」→「慢性化」へのプロセスです。




そうです。




不眠症は「慢性化」するのです。

そしてそれは怖いことです。


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慢性化のプロセス


不眠は「身体的要因」「心理的要因」が最多です。
それ以外にも高齢者などには「生理的な要因」も
高い比率を示します。



このように色々な原因で不眠が発生しますが、
その後の過程で「慢性化」をします。




最初は数日程度の「急性不眠症」を示します。



実は約半数が慢性化するのです。





なぜ慢性化が起きるのかというと、
これもいろいろな原因があるのですが、
過覚醒傾向が生じるからです。



過覚醒傾向とは、不眠症になることにより、
睡眠に対する緊張状態を生み、
それがより覚醒状態を助長することを言います。






もう少し具体的に書いていくと、



仕事や恋愛関係などによるトラブル

   ↓

不眠症が表れる(急性)。

   ↓

睡眠できず、寝床で緊張状態を強いられる
「早く寝なきゃ」「明日辛いから寝なきゃ」など。

   ↓

睡眠不足から昼間眠くなり、昼寝をする。
また飲酒量が増えて、より覚醒する
※飲酒は寝つきを良くするが、中途覚醒をする。

   ↓

より寝床で眠れなくなる

   ↓

焦燥感と不安に襲われる

   ↓

寝ることへの恐怖が芽生える
※一生寝られないかも…等

   ↓

不眠の慢性化



という流れになります。





最初のキッカケは急性不眠症ですが、
それが原因で「寝ることが怖くなる


それが慢性不眠症になるのです。





急性不眠症から慢性不眠症になるのは


「眠ることがくなる」


ことが要因となります。



それが焦燥感を生み、さらに過覚醒傾向を作り、
より眠れなくなるという悪循環を生みます。



こういったことをなくすためには

急性不眠の時、つまり原因がはっきりしている時に
しっかりとした対策を打たなければいけません。





不眠への対策は色々ありますが、
まず寝床でリラックスしなければなりません。



不眠になると、寝床で緊張しますが、
それでは逆効果です。


一生懸命寝ようとすることが
過覚醒傾向を助長するのです。



一生懸命寝ようとしない。


眠くなるのを気長に待つ。




こういった心構えで、
不眠の対処しましょう。




不眠の慢性化への対処法はこちら




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