◎不眠の慢性化を防ぐ
不眠症とは夜寝つきが悪い、眠りを維持できない、
朝早く目が覚める、眠りが浅く十分眠った感じが
しないなどの症状が続き、よく眠れないため
日中の眠気、注意力の散漫、疲れや種々の
体調不良が起こる状態を指します。
不眠症は日本人の4~5人に1人がかかります。
そういう面では国民病と言えるでしょう。
しかし「急性不眠症」のように、
一時的に不眠になることは問題ではありません。
問題なのは不眠の慢性化です。
その前に睡眠とは
どういうものなのでしょうか?
睡眠には2種類あります。
レム睡眠とノンレム睡眠です。
この2つは寝ている間に交互に現れてます。
1サイクルは約90分です。
◎レム睡眠
レム睡眠とはRapid eye movement sleepといい、
「急速眼球運動を伴う睡眠」といいます。
これは身体は寝ているのですが、
脳は覚醒状態であるために起きることで、
比較的浅い眠りです。
夢を見るのもレム睡眠中に見ます。
このレム睡眠は約20~30分ほど続きます。
◎ノンレム睡眠
ノンレム睡眠とは、レム睡眠とは逆で
「急速眼球運動伴わない睡眠」をいいます。
このノンレム睡眠はレム睡眠と違い、
深い眠りで別名「脳の眠り」と言われています。
これはレム睡眠中は
「脳は眠らない」から言われています。
ノンレム睡眠は1~4段階あり、
数字が大きくなるほど深い眠りになります。
特にレベル4の深い眠りは「深睡眠」もしくは
脳波がゆっくりになるため「徐波睡眠」と呼ばれ、
脳をしっかりと休めることができます。
「睡眠の質」を確保するには
このレベル4の睡眠をとらなければなりません。
このレベル4は寝た初期にしか現れません。
時間がたつと深睡眠は出現しないのです。
つまり長く寝たからといって、
深い睡眠はできないのです。
◎睡眠中の現象
睡眠に入ると、
最初に現れるのがノンレム睡眠です。
つまり最初に深い眠りに入るのです。
この1回目と2回目のサイクルで
レベル4の深睡眠に入ることができます。
しかしその後の眠りでは
深睡眠には入りません。
それは寝ている時間が長くなると、
起きる準備をするように脳が命令するからです。
睡眠中というのは、危険な状態です。
しかし生物の中で眠らない生物はいないのです。
それは睡眠の必要性を表していますが、
同時に危険な状態を持続することへの
危機管理も必要としているのです。
初期の段階でしっかり睡眠をとれば、
あとはできるだけスムーズに起きられるように、
深睡眠状態にはならないようになっております。
ここに睡眠の質を上げるポイントがあります。
眠りの時間をいくら増やしても深い眠りになりません。
寝入りの最初をいかに深く眠るか。
そして短い睡眠時間でも
十分深い睡眠ができるかが、
上手に睡眠をとるコツのなります。