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不眠の慢性化を防ぐ



不眠症とは夜寝つきが悪い、眠りを維持できない、
朝早く目が覚める、眠りが浅く十分眠った感じが
しないなどの症状が続き、よく眠れないため
日中の眠気、注意力の散漫、疲れや種々の
体調不良が起こる状態を指します。




不眠症は日本人の4~5人に1人がかかります。

そういう面では国民病と言えるでしょう。



しかし「急性不眠症」のように、
一時的に不眠になることは問題ではありません。



問題なのは不眠の慢性化です。




慢性不眠に関してはこちらを参照してください。
後半の部分です。







不眠が慢性化するとは、

睡眠に恐怖を感じることです。





つまり眠ることが怖くなるのです。









不眠症は直接死に至る病気ではありません。

そして直接症状が出るものでもありません。



職場で「よく眠れない」と言っても
あまり同情されません。




毎日徹夜続きで、
寝る間もなく仕事をしているのなら、
周りの人は同情してくれるかもしれません。



大変ですね…と。




しかし不眠症とは寝る時間がありながら
眠れないことを言います。



そういう人には
周囲は大変厳しいのが現状です。





早く寝ろ!


やる気がない!


遊んでいるからだ!





実は私もそういう経験をしております。






ある仕事をキッカケに、
不眠症状が現れたのです。


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その仕事とはリストラでした。




簡単に言うとクビを切るのです。





厳密に言うとリストラとは違います。



自社ではなく、取引先を切るのです。




しかしその会社とは
身内同然に仕事をしていました。



そしてその取引先は
ほとんどわが社のみと取引していたのです。





その会社にはかなり以前ですが、
わが社が大変お世話になったこともあります。



そういう意味では通常の取引先とは違います。



まさに一体となっていたのです。






そことの関係を清算しなければ
ならなかったのです。



そしてその担当をやったのが私だったのです。



ハッキリ言ってやりたくありませんでしたが、
社命とあれば仕方がありません。





そういった苦痛に満ちた仕事の最中に

不眠症状
が現れたのです。







しかし不眠そのものは
深刻に考えませんでした。





その時は仕事が終われば、
つまりリストラが一段落すれば
症状が治まるだろう



そう考えておりました。





リストラが原因ですから、
それが終わり、きちんと休みを取れるようになれば
元の生活に戻れるだろうと考えていました。





しかし全くそうではありません。


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仕事が終わっても、リストラが済んでも、

仕事のことが頭をチラつきました。




そしてますます不眠になっていったのです。





眠れない!




こんなことが、どれだけ苦しい事か。





それでいて、昼間は眠くなるのです。



寝間着に着替えて、ベッドに入ると
目が冴えてしまうのですが、


昼間の会議に出席していると、
睡魔が襲ってくるのです。




何度もウトウトして注意されました。




しかし夜は眠れない。





電車の中ではウトウトできても、
しっかり寝ようと考えると
眠ることはできないのです。









不眠の慢性化とは

寝ることに特別な意味を見出すのです。




不眠の慢性化は、眠ることがくなること。


そのために緊張して眠れなくなる。



それはこれまで何の気なしに眠っていたことに、
特別の意味を見出すのです。







そう…私は眠ることが怖くなりました。





今日も眠れないのではないか?

つらい時間を過ごすのではないか?



そう考えるようになりました。







眠れなくて悶々とする時間は、
非常につらいものです。


そのつらい時間を過ごすうちに、
動悸は激しくなり、体が熱くなり、


ますます眠れなくなります。









そこで毎日を大量に飲むようになりました。





飲めば眠れるのではないかと思ったからです。




確かに飲むと眠ることはできます。

しかし寝つきが良くなるだけで、
睡眠の「」は低下するのです。



睡眠の「
とは、深く眠れるかどうかです。


しかし飲酒では深く眠ることはできません。

飲酒で深く眠ることができない理由はこちら



寝ているうちに眠くなることはあっても、
そして寝つきが良くなっても、



夜中に起きてしまうのです。





それは体内のアルコールを処理するために、
体が覚醒してしまうことと、


アルコールを処理するために、
体内の水分を使うのですが、
そのために喉が渇くからです。



飲酒をすると喉が渇くことは
よく知られた事実です。



そのために夜中に起きてしまいます。



中途覚醒
というやつです。




そしてその後には寝ることができません。



一度起きれば、もう寝れないという先入観ができ、
寝入ることができなくなります。



そのまま布団の中で悶々と過ごします。


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当時、私が住んでいたところは
近くに鉄道が通っていました。


そのため電車の音が聞こえるのですが、
夜中は聞こえません。


しかし夜に中途覚醒をした後には、
その音がすぐに聞こえるような錯覚に陥ります。



電車の音が聞こえることは
始発電車を意味します。



その音が聞こえるのではないか?




時計を見るとまだ2時半です。



始発電車までは3時間ほどあります。




しかし気持ちが焦っているので、
冷静ではいられません。




早く寝ないと!




そう思えば思うほど寝れないのですが、

寝れない以上、焦ってきます。




気が付くと…始発の音が…


それでも始発からはまだ2時間は眠れます。


当時は7時半に起きれば
会社に間に合ったのです。



しかしこういう状態になると、もう無理です。


次々に通る電車が、私を覚醒します。




そんな大きな音ではないのですが、
気になるとどうしようもないのです。




そして朝を迎えます。






そのような状況が
毎日のように続いていました。




寝る前の恐怖


それによる飲酒量の増加


夜中に目が覚める


そして朝まで眠れない




酒を飲まないと、
寝付くこともできません。



だからとにかく飲まなければダメでした。


しかしそれが逆効果になったのです。




ますますれない。



こういう状況が長く続きました。



不眠の慢性化とは
これほどつらいモノなのです。




不眠とは、睡眠に恐怖すること、


そして睡眠を意識することです。



そうなる前に、対策をとらなければなりません。



その対策についてはこちら





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