睡眠と不眠の間に…!

皆さんよく眠れていますか? 眠れていない皆さんに、眠りのメカニズムと眠りの方法を解説します。

対応

スムーズに眠るのは、体内温度を下げること



皆さんはよくれていますか?


よく眠れないという人は
どうすれば眠れるかどうかわかりますか?



ネコ8




眠くなるのは、体温が下がるから




人が眠りたくなるのは
体内の内部体温が下がる時です。




つまり体温が下がると
眠りやすくなるのです。




例えば極端な話、
冬山で眠くなるというのは
体温が下がるからです。







ちょっと待て!



「春眠暁を覚えず」と言って、


暖かくなると眠くなるぞ!







そういう声が聞こえてきそうです。






確かに暖かくなると眠くなります





春にならなくても、

冬の寒い日に、暖房の効いた室内に入ると、
暖かくなって眠くなります。


会社でも暖かい部屋に入って会議をしていると
ウトウトと気持ちよくなってくることがあります。



また寒い日に家に帰って、
湯船につかって温まっていると、
これも眠くなることがあります。





これは温かくなると
眠くなるのではないか?




そう思うかもしれません。





しかしそうではないのです。



ネコ2




血行が良くなると、内部体温が下がる!



寒いときは体内の、特に内臓を守るため、
血流が末端まで行き渡りません。


つまり手足がかじかむのです。


しかし暖かい部屋に入ると、体が温まり、
血管が拡張して末端まで血流が行き渡ります


そうすると内部の血流が外に行くため、
内部体温が下がります


そうすると内部体温が下がるのです



眠くなるのは表面の体温ではなく、
内部体温です。


その内部体温が下がったので、
眠気を誘うようになるのです。








疲れているのに眠れない!


よく仕事が忙しくて、夜遅くまで仕事をして、
自宅に帰って、すぐに寝ようとすると、



目が冴えて眠れない!



こういうことってありますよね。


これは体が疲れているのですが、
脳が興奮状態にあるために、
覚醒していて眠ることができないのです。



子供が明日、

運動会だから、

遠足だから
…と


ドキドキして興奮して眠れない。


こういうことってありますよね。



これとは少し違いのですが、
興奮していて眠れないというのは同じなのです。



大人は仕事に追われて、
忙しさで興奮状態になり、


子供は明日が待ちきれず、
楽しみで興奮状態になる。




こういう状態を
交感神経優位の状態と言います。




イヌ1




自律神経!



自律神経とは、呼吸や発汗、体温調整や代謝、
そして内臓器官等を機能を司ります。


これは運動神経や感覚神経等の
体性神経系とは別です。


運動等は本人の意思で動かせるので
「随意神経」といいます。



それに対して自分の意思で動かせない自律神経は
「付随意神経」と呼ばれます。


その自律神経は
交感神経副交感神経に分かれます。







交感神経と副交感神経


交感神経は身体が
活発に活動している時に活性化します。


特に運動状態の時には活性化され、
発汗や心拍数の上昇、筋肉の緊張等が行われます。


このような状態は
いわゆる「起きている」状態とされます。






副交感神経は身体が
休息している時に活性化する神経です。


身体は落ち着き、心拍数は減少し、
筋肉の緊張は緩和される。


つまり「休んでいる」時に活性化するのです。




休息状態、特に睡眠状態には
この「副交感神経優位」の状態が必要です。







副交感神経優位


副交感神経が優位になるには、
リラックスした環境を作らなければなりません。


交感神経は活動時に活性化します。



交感神経は「闘争と逃走の神経」と言われ、
身体の危機に対して「身構えている」状態です。


このような緊張の連続状態は
心身ともに負担が大きい訳です。




生物にとって不可欠な「睡眠」は、
緊張状態から解放すると眠りやすくなります。


この「緊張状態から解放された」とは、
リラックスした状態です。



こういう状態を「副交感神経優位」と言います。






副交感神経を高めるために…!



副交感神経を高めるには、
逆説的ですが交感神経を刺激しないことです。



つまり刺激を与えないことです。


大きな音を出さない、

強い光を当てない、

強い運動をしない


といったことです。




興奮状態にならないことが必要です。




これら睡眠のための神経を認識し、
速やかにリラックスすることが、
スムーズに寝付くことにつながります。


女性6





不眠症は早期発見! 早期対策! 慢性化を食い止めろ!



ネコ3







最近睡眠不足で…


仕事が忙しくて眠れない…


休日も子供の世話があって…







こういうことで
眠れないのではないでしょうか?






実は眠れないということは
非常にろしいのです。






どういうことかというと、




眠れない状態が続くと、
本当の不眠症になってしまうのです。




特に夏のこの時期は
暑い日が続きます。



そうすると眠ることができず、
ベッドの中で悶々と過ごすことになります。






もうすぐ秋になる。



涼しくなれば眠れるようになるさ。








そう思っているかもしれません。






でも…それは間違いなのです。







不眠は続くと、慢性化するものなのです。



元々大したことはないと思う不眠、


涼しくなれば眠れるようになると思う不眠。



しかしそうではありません。






一度不眠になると、

慢性化するのはスグなのです。







不眠になると、眠れなくなります。


そうするとベッドの中で、
眠れない時間を過ごします。




するとその苦痛から、
寝床=苦しいところという動機づけができます。




一度その動機付けができると大変です。


それは心理的なものですから、
払拭するのは苦労します。





だから夏の暑い日に、
寝床の中で悶々と眠れない夜を過ごすのは、
不眠の慢性化の一里塚と言えます。








不眠で悩むのはつらいことです。





寝ようと思っても眠れないのですから。





ネコ6






仕事が忙しいのは不眠ではない





元々、仕事が忙しくて寝る時間がない


というのは不眠ではありません。






これはただ睡眠時間が不足しているだけで、

不眠症とは違います。





不眠症とは、

眠る時間があり、疲労が溜まっているのに、
眠ることができないことを言います。





だから毎日午前様で、朝も6時に起きないと、
仕事に間に合わないというのは、



不眠ではありません。





これらは単純に睡眠時間が足りないので、
寝不足が溜まっているだけです。




こういう状況は望ましくありませんが、
問題点はハッキリしています。



それは

睡眠時間を作るしかない

ということです。




睡眠時間が足りないのですから、
睡眠時間の絶対量を増やす努力をするべきです。



ただし眠る時間があるのに
眠ることができないのならこれは別の問題です。




こういった不眠症状は
初期の段階で治さないと慢性化します。



ネコ4




不眠症状の現れ!


不眠症はそんなに珍しい病気ではありません。


日本人の4~5人に1人
不眠症状に悩んでいると言われています。



そんな状況ですが、
比較的若い時は不眠症状は現れません。





例えば皆さんも子供の時があったでしょう。





特に今の時期のように夏休みには、

毎日真っ黒になるまで遊んだのではないですか?




そして夜には泥のように
眠ったのではないですか?



子供の時に眠れるのは
成長ホルモンが関係あるのです。



子供は成長しますので、
成長ホルモンがよく出ます。


その成長ホルモンは
寝ている時、特に熟睡している時に出るのです。



この成長ホルモンは子供の成長だけではなく、
肌の補修などにも使われます。


だから寝不足だと肌艶が悪くなりますよね。



あれは寝不足による、
成長ホルモンの不足が問題なのです。



子供の時はこの成長ホルモンの排出が多いので、
多くの睡眠時間が必要だし、熟睡もします。


しかし年をとるとそれほど多くの
成長ホルモンを排出する必要がないので、
熟睡度合いが低くなるのです。





そしてこう思います。





昔はよく眠れたのに、
最近は眠れなくなったなぁ
…と。







以前ほど眠る必要がないところに、
何らかの理由(例えば暑さ)などにより、
眠れなくなる。



これが不眠症の第一歩です。



こういう状況になる前に
対策をとらなければなりません。




それは不眠症を慢性化させないで、
しっかり眠れる習慣を作るということです。



これは夜眠れなくなってきた時に、
心がけ次第で十分対策をとれるのです。






不眠を甘く見てはいけません。


重度の不眠に、慢性の不眠になる前に、
正しい知識で対応を取りましょう。




不眠の慢性化への対策はこちら





女性2



認知行動療法その3 睡眠スケジュール法とは?




ネコ11



不眠症の認知行動療法!



不眠症に対する治療では
幾つかの方法があります。



その中で標準的な治療法と推奨されているのが、

認知行動療法というアプローチです。





認知行動療法とは、

問題や症状の維持要因となっている
その人の考え方(認知)や振る舞い(行動)を
把握して、対策をとる心理療法です。


特に行動による”癖”を見抜き、
それに対する対策を施します。




その”癖”が睡眠を阻害している
身体的および心理的要因であれば、
それを取り除いていきます。


特に心理的要因であれば、
それを本人に理解させた上で、
取り除かねばなりません。


こういった”癖”は本人のルーティン、
つまり「日常」になっていることが多いのですが、
それを取り除くとむしろストレスになり、
余計に眠ることができなくなります。


そこでしっかり話し合い、説明して、
睡眠阻害要素を取り除く必要があります。





そして認知行動療法には3つの対策があります。

「刺激制限法」
「睡眠制限法」
「睡眠スケジュール法」

です。




以下では睡眠スケジュール法について説明します。


ネコ5




睡眠スケジュール法!



睡眠スケジュール法は


刺激制限法睡眠制限法の2つを
あわせた方法です。



※「刺激制限法」についてはこちら

※「睡眠制限法」についてはこちら


つまり不眠だからといって、
長々と寝床で過ごさずに、
眠くなってから過ごすようにすること、


そして睡眠日誌で平均睡眠時間を割り出し、
起床時間を決めて、起床時間から逆算して、
入床時間を決めること。



それにより睡眠効率を上げる睡眠法です。




もちろん「刺激制限法」の要素である、
睡眠を阻害する要因を取り除きます。




実はこれまで書いた
「刺激睡眠法」も「睡眠制限法」も

単独で行うことはほとんどありません



両者をミックスして
「睡眠スケジュール法」として行うのが一般的です。


つまり睡眠を阻害する要素を取り除くこと、

睡眠時間を制限して、睡眠効率を上げること、



この両者を並行して行うのです。




考えてみれば、この2つは両立できるものなので、
両方やらないことの方がおかしいのです。





睡眠制限法により、
睡眠時間を極力、入眠時間に合致させ、
寝床で眠れずに焦燥している時間をなくす。


寝床はるところ


という認識を持たせることが、主眼である。



イヌ1





睡眠スケジュール法への抵抗!



不眠症の患っている方は、
睡眠スケジュール法に抵抗を示すことがある。


それは不眠症なので、眠れなくて困っている。



そこに睡眠時間を制限しようとするので、
不眠症患者は抵抗感を示します。




そこにはある考えがあります。




それは眠れなくても、
目を瞑っていれば身体が休まる。




というものです。





確かにこれは事実です。



眠れなくても目を瞑っていると
疲労回復になります。




しかしそれは”多少”であるに過ぎません。



不眠の根本的な対策にはならないのです。



むしろある程度睡眠時間を削っても、
しっかり眠れた方が疲労回復になります。



熟睡できる方が、
良いに決まっているのです。



寝床で焦燥感にかられながら多少休まるのと、
短くてもしっかり熟睡できるのとでは
疲労回復の度合いが違うことが明らかです。



睡眠時間を削っても睡眠効率を上げて、
より深い睡眠をするように説得する。


特に医者は患者と
信頼関係を作らなければなりません。



そして睡眠時間を制限する、
睡眠スケジュール法がどうしていいのかを、
訴えるべきでしょう。



不眠症患者への一番の敵は、
不眠症患者の焦燥感です。


眠れなくて焦ること、
これをなくしていかなければなりません。



女性4



認知行動療法その2 睡眠制限法とは?




ネコ3




不眠症の認知行動療法!




不眠症に対する治療では
幾つかの方法があります。



その中で標準的な治療法と推奨されているのが、

認知行動療法というアプローチです。





認知行動療法とは、

問題や症状の維持要因となっている
その人の考え方(認知)や振る舞い(行動)を
把握して、対策をとる心理療法です。


特に行動による”癖”を見抜き、
それに対する対策を施します。




その”癖”が睡眠を阻害している
身体的および心理的要因であれば、
それを取り除いていきます。


特に心理的要因であれば、
それを本人に理解させた上で、
取り除かねばなりません。


こういった”癖”は本人のルーティン、
つまり「日常」になっていることが多いのですが、
それを取り除くとむしろストレスになり、
余計に眠ることができなくなります。


そこでしっかり話し合い、説明して、
睡眠阻害要素を取り除く必要があります。





そして認知行動療法には3つの対策があります。

「刺激制限法」
「睡眠制限法」
「睡眠スケジュール法」

です。




以下では睡眠制限法について説明します。




nemuri_neko




睡眠制限法!



不眠症の人は、不眠が続くと睡眠不足を補おうと
必要以上に身体を休めようとします。


そのため寝床の時間が長くなり、
睡眠効率が低下します。



睡眠効率とは、
寝床に居る時間に対する睡眠している時間で、
寝床で8時間横になっていても、
実際に睡眠時間が4時間なら、睡眠効率50です。



大体、睡眠効率は90%以上が望ましいのです。



故に長く寝床に居ても、
寝苦しく、焦燥感にかられるので、
寝床=苦しいところという動機づけができます。



そのため睡眠効率の悪いと、
不眠が慢性化しやすくなります。




不眠の人は身体を休めようと、
長く寝床に居る傾向がありますが



それは逆効果です。




それに対する対処法が睡眠制限法です。




不眠に対抗するために、
むしろ睡眠を制限しようというのです。









睡眠制限法の方法!



睡眠制限法を始める前に、
まず自分の睡眠時間を把握します。


そのために利用するのが睡眠日誌です。


睡眠日誌は毎日何時に寝て、
何時に起きたのかを記します。


それだけではなく
平均睡眠時間や何時に寝付いたのかを
自分の感覚で記載します。


その睡眠日誌を利用します。






<睡眠制限法のやり方>


1.睡眠日誌により、1週間の平均睡眠時間を算出

2.起床時間を決める。

3.起床時間から平均睡眠時間を引いた時間を
 入床時間と設定。
 つまり朝7時に起床で、睡眠時間が6時間なら
 午前1時に入床する。

4.寝床に入るのは入床時間になった時か、
 眠くなった時と決めて、それ以外は入らない。
 例えば寝床で読書などはしない。


5.1週間続ける。睡眠効率が90%以上であれば
 入床時間を15分繰り下げる。
 逆に睡眠効率が85%以下なら15分遅らせる。






このようにして、
寝床に居る時間と睡眠時間を極力合わせるのが
睡眠制限法です。


不眠だからといって
寝床に居る時間を増やしても意味がありません。


むしろ制限することで、
睡眠効率を高めることが
不眠対策になるのです。




女性5



認知行動療法その1 刺激制限法とは?




ネコ3



不眠症の認知行動療法!



不眠症に対する治療には
幾つかの方法があります。



その中で標準的な治療法と推奨されているのが、

「認知行動療法」というアプローチです。





認知行動療法とは、

問題や症状の維持要因となっている
その人の考え方(認知)や振る舞い(行動)を
把握して、対策をとる心理療法です。


特に行動による”癖”を見抜き、
それに対する対策を施します。




その”癖”が睡眠を阻害している
身体的および心理的要因であれば、
それを取り除いていきます。


特に心理的要因であれば、
それを本人に理解させた上で、
取り除かねばなりません。


こういった”癖”は本人のルーティン、
つまり「日常」になっていることが多いのですが、
それを取り除くとむしろストレスになり、
余計に眠ることができなくなります。


そこでしっかり話し合い、説明して、
睡眠阻害要素を取り除く必要があります。





そして認知行動療法には3つの対策があります。

「刺激制限法」
「睡眠制限法」
「睡眠スケジュール法」


です。




以下では刺激制限法について説明します。



ネコ6






刺激制限法!



認知行動療法の一つに刺激制限法があります。



これは眠るための環境ができていないために
不眠が起きているという考え方のもとに、
「不適切な行動」をやめさせる睡眠法です。


睡眠を阻害する行動を把握させ、認識させて、
それと違う行動をとらせるようにします。





睡眠を阻害する要因はいくつかあります。

光、音、匂い(悪臭)、温度、寝具、飲食等々。



実際に対象者と話し合いを行い、日常生活から
そういった睡眠を阻害する要因を取り除きます。


ここでは
「睡眠を阻害する要因」=「刺激」ととらえて
この刺激を制限することで、
睡眠をしやすい環境を作ります。




明るくて眠れない時は、部屋を暗くするように、

音が気になる時には、その音をなくすように、

寝る直前まで食事をしている人は、
消化が睡眠を阻害していることを説明する。



こういったことを積み重ねて、
睡眠しやすい環境をつくるのです。



因みにある人は、
ずっと眠れなくて困っていたのですが
その理由が「カチカチ」という時計の音でした。


そこで時計を液晶のデジタル時計に変えたところ
ぐっすり眠ることができました。



こういった積み重ねが
睡眠しやすい環境をつくるのです。



イヌ1




寝床では眠る!


ところで
睡眠を阻害する要因=刺激を取り除く、
と書きましたが、


それはある程度軽度の不眠の場合です。


不眠状態が続くと、寝床が苦痛になります。



つまり眠れないのに、ずっと寝床に居る。

早く寝なければいけないと悩みながらも、

眠くならないのに寝床に居なければならない。



こういう状態は焦燥感にかられます。



体が熱くなって、汗をかき、心臓がドキドキして、
早く寝なければと気ばっかり焦る。





こういうことが続くと、

寝床=緊張する場所という

先入観ができてしまいます。



そうならないためには
眠くなってから寝床に入る癖をつけることです。


眠くならないうちには寝床に入らず、
眠くなってから寝床に入る。



そういう癖をつけることで、

寝床に入る=眠くなる

という動機づけになります。






睡眠を阻害する要因=刺激を取り除き、
眠くなってから寝床に入る。



これをしっかりすることで、
スムーズに眠ることができるようになります。



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