睡眠と不眠の間に…!

皆さんよく眠れていますか? 眠れていない皆さんに、眠りのメカニズムと眠りの方法を解説します。

つらい

睡眠不足の経済的損失とは?


皆さんよく眠れていますか?
このブログでは読んでいただいている方に、
快適な睡眠ができるような情報を提供しています。




非営利研究機関
ランド・ヨーロップの調査研究によると、
睡眠不足による経済損失をGDP比で見た場合、
日本は2.92%となり、1380億ドルでした。



睡眠不足は、
職務遂行能力の低下などを通して生産性を下げる。

調査では、日本は全体で年60万日を超える
労働時間を損失しているという。


1日の睡眠時間が平均6時間を下回る人は、
7~9時間の人に比べて、
死亡リスクが13%高くなると指摘。

6時間未満を6~7時間に増やすことで
日本経済には7570億ドルのプラス効果があると
試算している。




長時間労働よりも
短い時間でも効率的に仕事をした方が、
効果が高いということか?


そういえば、眠気を抑えて仕事をするより、
むしろ早く寝て、翌日早く起きて仕事をした方が
能率が上がる。

そういうことなのだろうか?



因みに日本人は確かに睡眠時間は少ない。

15歳の睡眠時間を調べた調査だと、
日本人は7時間25分だったが、
オーストラリア人は9時間30分だった。


寝る子は育つというが、
まさに地でいっている。



それに日本人の場合、効果をあげるより、
一生懸命やっていることが美しい
というような風潮がある。

そのため残業することが正しい
という雰囲気さえある。


よく眠るのは怠け者という風潮は
慎まなければならない。


経済的損失をしているのなら、
なおさらである。



不眠対策は周りの理解から!




ネコ3






不眠=睡眠障害の深刻化



不眠とはよく眠れないことを言います。
その人に必要な睡眠量を確保できていない状態です。




それも仕事が忙しくて状態的に睡眠不足というのは
不眠ではありません。


それは寝不足です。


そういう人たちは眠る時間があれば
眠ることができるのです。


そういう人たちへの対策としては、
「寝る時間を作れ」「仕事を減らせ」
というしかありません。



しかし不眠とは
「身体的、精神的理由で眠れない」
ことを言います。


眠りたいのに、疲れているのに、
そして睡眠時間もあるのに眠れない


ことを言います。




その理由は病気によるとか、
精神的な理由によるとか色々あります。



いわゆる悩みがあり、それが気になり眠れなくなり、
そして不眠になります。


それは一時的なものなのですが、
一度不眠になるとそれは慢性化します。



なぜなら一度不眠になると、
夜眠ることがプレッシャーになるからです。


「今日は眠れるか?」

「また眠れないのでは?」


など気になるのです。



一時になると、それが癖になり、
それが不眠の慢性化につながります。




そうして悩みが解決した後でも、
眠ることができない不眠症となるのです。









人の必要睡眠量


人はどのくらい眠ればよいのでしょうか?


よくしっかり眠るためには
時間睡眠が必要と言われます。



8時間に意味があるのかというと


別にありません。
ただ1日の1/3だからです。



なぜ1/3かというと

それも意味がありません






結局、8時間くらい眠ると
よく眠れたという経験からきているのです。
必要睡眠量は人によって違います。





人の必要睡眠量といっても
ロングスリーパーとショートスリーパーがおり、
睡眠時間が各々変わってきます。




長く寝ないとダメな人がいれば、
短くても十分な人もいます。



これらは体質によって変わってくるので、
一概にどっちが良いとは言えません。




長く寝ないとダメな人は
短時間睡眠でも大丈夫な人が
うらやましいと思うかもしれませんが、
そうでもありません。



短時間睡眠の人も
長く寝ていたいと思っているものです。




イヌ1






よくショートスリーパーの代表として、
ナポレオンを挙げる人がいます。


しかし実際には良く昼寝していたし、
病気のため、発作で夜中に起きたため
そう言われていたそうです



実際にショートスリーパーだった人は
ミケランジェロです。


ミケランジェロは芸術家なので
教会の壁画などを描いていたのですが、
短い時間の睡眠でも平気なので、
足場の上で寝ていたそうです。


そして15分くらいすると起きて、
また作業をしていたのだとか。


確かに15分程度であれば、
いちいち下に降りてくるのも面倒になるでしょう。


もちろん15分しか眠らないのではなく、
そういう睡眠を何度かとっていたのですが、
それでも短いことには変わりありません。



ロングスリーパーの代表選手といえば
アインシュタインです。
彼は10時間以上寝ないと調子が悪かったようです。



このように睡眠時間は人それぞれで、
必ずしも長く寝ることが良い訳ではありません。


逆に短ければ良い訳ではありません。
人には各々適度な睡眠時間があるのです。



因みに適度な睡眠時間を測る方法としては、
機械を用いて睡眠を計測しなければなりません。


しかしそんなことを全員ができる訳ありません。


そのため多くの人がやることは、
時間を記録することです


睡眠ノートのようなもの、
無ければポストでもよいので、
毎日の睡眠時間と起床の時間、
その時の睡眠の質(ぐっすり眠れたかどうか)を
5段階評価で記載するのです。


そうすることで
何時間眠るのが自分に一番適している
と把握できるようになります。





話を戻すと、
必要睡眠量に対して足りていないと、
それは不眠となります。


不眠の状況は一時的ならそれほど問題ないのですが、
それが慢性化すると心身ともに影響を及ぼします。


日中にボーッとして、集中力が欠如します。
仕事にも集中できずに、必要な時に居眠りをします。
当然、職場環境は悪くなり、成績も落ちます。
人間関係が悪化し、精神的に追い詰められます。



人は適正な睡眠時間を確保できないと、
活動することができません。


それ故に活動が鈍り、それ故に疲れず、
夜にも睡眠ができないという悪循環に陥ります。


疲れないと書きましたが、
疲れが取れないため、日常に疲労は蓄積します。
当然精神的な疲労も・・・。


そのため疲れはむしろひどくなります。


新たな疲労は起きなくても、
以前の疲労が解消されないので、
蓄積された疲労はよりひどくなります。




こうやって不眠は深刻化していくのです。







とにかく慢性化を防ぐ!


不眠症対策には色々な方法があります。


ツボを刺激する、漢方を配合する、薬を使う、
サプリメントを使う、アロマを使用する。

アロマについてはこちらを参照してください





しかしその前に理解しなければならない
ことがあります。



不眠は非常につらいものです。



何がつらいかと言って、
周りの理解がないことです。


大体「眠れない」という悩みを言っても、
「疲れてないからだ」とか「睡眠薬を飲め」などと
いわれるのが関の山です。



これが仕事が忙しくて眠る間がないので、
寝不足であるというのなら理解されます。


「もう少し仕事を減らしたら・・・」
などと言ってくれます。



しかし眠る時間があるのに眠れない「不眠」」は、
「じゃあ疲れてないんだろ」
と言われて終わるのがオチです。




そうではないのです。



不眠はつらいものです。



周りの理解を得られるように、

そして周りが理解するように

示していかなければなりません。


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痛みと不眠!




女性5



痛みと不眠!


身体的な疾患によって
不眠になることは多くあります。


外傷などにより、またリューマチなどにより、

「痛くて寝れない」

ということは多くあります。



これらはケガの程度や症状の程度によって、
不眠への影響が出ます。


これらの「痛み」による不眠には、
大きくつに分類されます。




それは急性痛慢性痛です。








急性痛!


急性痛とはその名の通り、「急な痛み」です。


その理由はケガや手術といったものが
多く作用しています。


一般に急性痛の現認としては、
「術後創部通」や「帯状疱疹通」「骨折」「打撲」
などが考えられます。


これらは眠れなくなる程痛むものですが、
一次的なものです


例えば1ヶ月も2か月も続くものではありません。


特に「急性期」を過ぎてしまえば、
その痛みは軽減していきます。


また急性痛は適切な鎮痛処置により、
コントロールが可能であり、
急性期が過ぎてしまえば、
それほど問題ではなくなります。


そういう面では急性痛は
不眠に関して大きな問題ではないし、
痛みが和らげば、不眠も自然に解消します。


またほとんどの患者において痛みの訴えが
不眠に対して先行します。



ネコ11





慢性痛!


慢性痛とは日常の痛みです。


常日頃から痛むので、
「痛みと付き合う」必要があります。



この慢性痛は、痛風や間接リューマチ、ガンなどが
よく言われています。


急性痛は1週間程度で軽減しますが、
慢性痛の場合は数か月、数年単位で痛みが続き、
場合によっては一生の付き合いになります。


これらは難治性、つまり「治りにくい痛み」です。




現在、55歳以上で、関節リューマチや
関節症、関節炎などを患っている人で、
その72%が不眠症状を訴えています。


特に慢性痛の人は
寝入ったとしても一度起きると
再度寝ることができない人が多く、
中途覚醒や早朝覚醒が多いのが特徴です。



このような症状は睡眠不足を生み、
日常的な睡眠不足から日中の集中力の欠如、
そのための事故を引き起こすことも考えられます。



実験によると、慢性痛の人は
睡眠が浅い場合が多いのです。


自分でも気づかない覚醒も
数度見られることが多く、


脳を休める深睡眠=徐波睡眠を
得られません。



因みに慢性痛の場合は、
痛み→不眠という流れだけではなく、

不眠→痛みということもあります。


つまり覚醒時間が長いことにより、
痛みの認知も長引くのです。



「痛み」と「不眠」との間には、
このような関係もあるのです。


人間年をとると関節に痛みを感じます。
その時には不眠にも注意しましょう。




ネコ10




災害の映像を見るだけで…遠隔地ストレス!





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災害時ストレスによる不眠!




前回、災害時のストレスと不眠について書きました。



阪神淡路大震災やインドネシアの地震により、
ストレスを感じて不眠を患う人が多い。


そのストレスには
一次ストレス二次ストレスがあり、


一次ストレスとは、災害にあってケガをしたり、
財産を失ったことによる直接的なストレス。


二次ストレスとは、直接的な被害だけではなく、
被災をして、仮設住宅などで生活することで、
これまでの環境と変化することによって
ストレスを感じることを言います。


これらのストレスにより、過緊張状態になり、
神経が刺激されて不眠になります。


そして被災直後だけではなく、
その後の慣れない生活により、
不眠がひどくなるケースもあります。



「一次ストレス」と「二次ストレス」の
重なりにより、症状が重くなるのです





ところで最近ではそれだけではなく、


直接被害を受けていない人でも
ストレスを感じることがわかっています。



それは被災遠隔地でのストレスと言います。



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被災遠隔地で受けるストレス!



被災遠隔地とは、その名の通り、
被災する場所と違う遠隔地でのことです。


当然そこは災害地でもなく、
災害による被害を受けることはありません。


それなのにどうして
ストレスを受けるのでしょうか?



それはインターネットや高解像度テレビの発達で、
被災地の情報がタイムラグのほとんどない状態で
遠隔地にも送られるようになったからです。


そのため多くの視聴者が実際には被災しなくても
被災をリアルに体験する仮想現実体験
するようになったからです。



仮想現実体験は、
実体験に極めて近い効果を脳に与えます。


それを利用した精神医学的治療法への応用として
有効であるが、他方では災害ストレスの拡散化
という副作用も秘めています。


特にテレビ報道は繰り返し、映像を流しますが、
その災害映像は脳・精神に与える影響が
無視できません。


特にテレビ各局は
視聴者への影響を考えたうえで
報道することが求められます。



またこの遠隔地ストレスが見られた顕著な例は、
2001年の9.11テロの時に、
特にアメリカ各地で遠隔地ストレス患者が増え、
それによる不眠患者が激増しました。


あの時は特に高層ビルに飛行機が突入するという
ショッキングな映像が何度も世界的に流れました。


それを見た多くの人が…とくにアメリカ国民が
そのテロの仮想現実体験をしたのです。


その仮想現実体験が脳を刺激して、
実際に体験したかのようなイメージを与え、
災害ストレスを生むのです



そしてそのストレスから
不眠の症状を発症するのです。



最近は九州大分を中心とした
水害の映像が繰り返し流れています。


遠隔地ストレスが起きないように
気を付けて欲しいものです。





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大規模災害と不眠




ネコ3




災害時ストレスによる不眠!




現在、九州の大分を中心に
水害が発生しています。



テレビでは、
連日このニュースを流しています。


九州では集中豪雨および
それによる土砂災害等によって、
多くの犠牲者が出ていますが、
これは死傷者のみを指すのではありません。


被災後の精神的ショックによる
不眠症状にもその影響は表れます。







地震や台風等の自然災害や、
テロリズム等の人為的災害などで、
大規模災害後は不眠に悩む人が続出します。


1995年の阪神淡路大震災では、
被災中心地に住んでいて、その後は
避難生活を余儀なくされた住民において
発生3週間後の時点では6割近い人
何らかの不眠症状を訴えています。


また2004年のスマトラ沖地震の際にも、
発生後6週間後でも、同じく6割の人
不眠症状を訴えていますし、
隣接地域でも5割の人が不眠になっています。



不眠は災害に出逢ったことによる
ストレスから発生します。
その精神的なストレスが、
人々に緊張状態を強いて、
不眠症状を発生させることがあります。


そしてストレスには
一次ストレス二次ストレスがあります。








一次ストレス


一次ストレスとは
災害による直接的なストレスです。



それは身体的なケガなどの直接被害、
親族や友人の死傷、また家や家財などの
損傷・紛失などが考えられます。


自身が直接的にケガをしても、
また親しい人の死などの影響は
深刻な不眠症状をもたらします。


また長年の努力によって築き上げた財産や
建物などを一瞬のうちで壊れることも
自己の人生を否定されたかのような
強烈なストレスになります。



こういったストレスを
一次ストレスと言います。



ただし生理学的には、事件直後の不眠は、
不快な記憶の脳への定着を防ぐ効果があり、
必ずしも否定するものではありません。


むしろのちの影響を考えると、
治療の必要が無いものとみなします。

ネコ1





二次ストレス!



災害後の環境の変化や
環境の悪化によるストレスを
二次ストレスと言います。


災害により、ケガをしなくても
生活基盤が失われることがあります。


そのため急激な生活環境の変化、
それも悪化に対するストレスが起きます。


ケガなどは時間が経つと
むしろストレスが減少しますが、
生活環境の変化は時間とともに
ストレスが積み重なってきます。



阪神淡路大震災では
約25万棟の住居が全・半壊しました。


それにより多くの不眠患者を
生むことになりました。



特に初期では、学校の体育館などで
生活を余儀なくされます。


プライバシーもない、冷暖房のない状態で
生活をしなければなりません。



特に睡眠に関しては環境の変化の影響が激しく、
もしホテルのような場所でも
睡眠に影響を与えることがあります。



大規模災害に巻き込まれた場合、
特に日本では災害救助は
比較的スムーズに行われますが、


それでも深刻な二次ストレスは発生します。


現在の九州地方で災害に巻き込まれた人達も
深刻な不眠に悩まされているかもしれません。



一日も早い
日常生活の回復を願っています。


nemuri_neko



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