睡眠と不眠の間に…!

皆さんよく眠れていますか? 眠れていない皆さんに、眠りのメカニズムと眠りの方法を解説します。

ノンレム睡眠

睡眠遊行(夢遊病)とは何か?



皆さんよく眠れていますか?
このブログでは読んでいただいている方に、
快適な睡眠ができるような情報を提供しています。




子供の寝ぼけ

ダリ2


幼児は睡眠中に急に起き上がって
歩き回ったりします。


このような寝ぼけ行動のことを
睡眠遊行と言い、
別名「夢遊病」とも言います。


この睡眠遊行は5歳くらいから始まり、
12歳くらいが最も多くなります。

児童の約15%程度に症状が見られる。


ただし、児童の場合はほとんど気にすることが無く、
症状が出てもそれほど心配することではない。


症状は青年期になると自然に消滅することが多い。
ただごく稀には青年期に入ってからも
引き続いて起きることもある。

この場合は専門の治療が必要であるとされている。





睡眠遊行の発生!


のび太


睡眠遊行はレム睡眠時に起こる。

睡眠にはレム睡眠とノンレム睡眠があるが、
レム睡眠とは「急速眼球運動」のことである。

つまり睡眠中に瞼の下で目玉が
キョロキョロ動いている状態を示します。

この状態は体は眠っていても、
脳が覚醒した状態です。

逆にノンレム睡眠は「急速眼球運動」が無い睡眠で
脳も眠っている状態を示します。

このノンレム睡眠にはさらに1~4段階あり、
4に近づくほど深い睡眠となります。



睡眠遊行はこの中で
深いノンレム睡眠の3~4段階で起きます。

このノンレム睡眠の3~4段階とは
睡眠から早い段階で起きます。
大体、寝て2~3時間程度で集中的に発生する。






睡眠遊行の症状!


ネコ10


睡眠遊行中は熟睡の最中ですが、
急に起きだし、虚ろな表情でベッドに腰掛けたり、
部屋の中を歩き回ったり、ブツブツと
意味不明なことをつぶやいたりします。

時には何かから逃げ回るように、
走り回ることもあります。


この時の脳波を測定してみると、
眼を開いて活動しているのに、
脳波は全くの睡眠状態を示します。


睡眠遊行時には障害物をよけたり、
ドアを開いた入りという行動を示すが、
他方では窓から出て落ちたり、
階段を転がり落ちたり、事故に遭うこともある。

そのため家族では家から出ないように
鍵をかけたり、室内を片付けたりする必要がある。


しかし不思議なことに睡眠遊行の最後
ほとんど自分のベットに戻って終る。





睡眠遊行時には

女性4


睡眠遊行時には途中で起こそうとしても
なかなか目を覚まさないことがある。

無理に起こそうとすると激しく抵抗し、
殴りかかるなどの暴力をふるうこともある。

成人の場合はこれが原因で
殺人事件に発展するケースもある。


こういう場合は睡眠遊行時の暴力が
刑事責任を問えるのかが争われることになる。



先程書いたように、睡眠遊行は子供に多く見られ、
他方、青年期になると自然に治癒する。

だから子供の場合は神経質になる必要はない。
特に子供は力も弱く、被害も多くないので、
周りの大人が適切に対応することが必要だ。


しかし大人になってもあるのであれば、
気を付ける必要がある。






夢遊病?


男性5


因みに「睡眠遊行」とは
一般的に夢遊病と言われている。

しかしこの言葉を使うのは慎重であるべきだ。

というのもこの症状が発祥している時には、
「夢」を見ていないからだ。


先述したように、
睡眠遊行はノンレム睡眠中に起きる。


ノンレム睡眠中は夢を見ない。

脳も眠っているために、
夢を見ることもないのだ。


そして睡眠遊行中の脳波は
ノンレム睡眠時の脳波と一緒なのだ。

つまり睡眠遊行中の本人は「夢を見ていない」


事実、睡眠遊行中の患者を無理やり起こした時も
「夢を見ていた」という報告は一切ない。


そして本人にも行動中の記憶がない。



現在、睡眠遊行は完全には解明されておらず、
確実な治療法もない。


そしてこれは「睡眠障害」というより、
覚醒時の障害であると考えられている。


というのも正しいノンレム睡眠の脳波を
表しているからだ。

つまり正しい睡眠から
「起きられない」のが問題だと考えられている。


問題は寝ている時ではなく、起きられないこと。
そして夢を見ていない状態である。

そう考えると、夢遊病というのは
間違った名前だといえるでしょう。


ネコ3





寝ているのに寝ていない?逆説性不眠とは!




女性6





逆説性不眠!


不眠症の中には面白い現象があります。


それは自分が不眠症であり、
毎日眠れないと訴えいる人が、
実際にはよく眠っていることがあります



ある人はもう何年も眠っていないと訴えますが、
何年も眠らないということはあり得ません。


その前に死んでしまいます。




実験によると、2週間程度眠らないと、
脳が破壊されて死に至ります。


眠るということは、
脳を休めるためでもあります。


つまり脳が休まらず、
負担が大きくなって最終的に死に至るのです。




つまり何年も眠っていないということは

あり得ないのです




このように科学的に測定すると
十分に睡眠をとっているにもかかわらず、
自覚的にはほとんど眠れなかったと述べる現象を



逆説性不眠



と言います。





これは特に不眠が慢性化した人に
起きる症状です。



この逆説性不眠は
独立した病態であるかどうかについては
議論があるものですが、



不眠症患者の中には多い症状なのです。


そして悪いことに、
本人は本当に眠れていないと思っているのです。






元々不眠症は身体的な影響がある病気です。


つまり眠れないことにより、
注意力が散漫になったり、疲労感が増したり、
そういったことが問題でしたが、



慢性化すると、
心理的な焦燥感が課題となります。


眠れないことによる焦り、緊張感、不安感などが
精神的、心理的に負担になっていきます。




このように考えると、
実際に眠れていても、眠れていないと考える
逆説性不眠は心理的負担があるという意味で、


通常の不眠と同様に治療の対象となります




ネコ11





逆説性不眠はどうして起きるのか?



では逆説性不眠は
どうして起きるのでしょうか?




ある患者は主観的な睡眠時間は30ですが、

機械で脳波を測定したら、418寝ていました。



418分、つまり時間寝ていたのです。


これは十分な睡眠時間だと言えるでしょう。


しかし本人の評価では30分です。



30分しか寝ていないと評価するのであれば、
睡眠時間は全く足りていません。






この主観と客観のは何でしょうか?





これは時間認知機能の異常が関与しています。



時間認知機能は、
脳による認知システムによって決まってきますが、
ここで睡眠時間を認知することができます。



この時に睡眠時間を認知するシステムは

徐波睡眠の量によって時間を認知します。


徐波睡眠=つまり深い睡眠です。



睡眠には「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」があり、
「レム睡眠」は浅い睡眠。
それに対して「ノンレム睡眠」は深い睡眠です。


このノンレム睡眠にも4段階あり、
そのうち3~4段階の睡眠は非常に深い睡眠です。

詳しくはこちらを参照してください。
http://kaitekisuimin01.com/archives/1101228.html


この時に脳が休みます。


この3~4段階のノンレム睡眠のことを、
脳波が緩やかになることから「徐波睡眠」と言い、
不眠症対策では特に重視する睡眠です。


簡単に言うと「ぐっすり寝る」のです。




実は逆説性不眠を訴える人は、

この徐波睡眠が少ない人なのです。



特に不眠の慢性化が起きている患者は、
逆説性不眠が起きるというのは、



不眠が慢性化した人は深い睡眠ができていない。
少なくとも実感できない。



そのために眠れていないと思い、

逆説性不眠を訴えるのです。





逆説性不眠は実際には寝ているのですが、

深い睡眠ができていない。


それは脳を休めるには不十分です。



逆説性不眠はそういう意味で、
脳からの悲鳴なのかもしれません。


ネコ10

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