皆さんよく眠れていますか?
このブログでは読んでいただいている方に、
快適な睡眠ができるような情報を提供しています。
◎子供の寝ぼけ

幼児は睡眠中に急に起き上がって
歩き回ったりします。
このような寝ぼけ行動のことを
「睡眠遊行」と言い、
別名「夢遊病」とも言います。
この睡眠遊行は5歳くらいから始まり、
12歳くらいが最も多くなります。
児童の約15%程度に症状が見られる。
ただし、児童の場合はほとんど気にすることが無く、
症状が出てもそれほど心配することではない。
症状は青年期になると自然に消滅することが多い。
ただごく稀には青年期に入ってからも
引き続いて起きることもある。
この場合は専門の治療が必要であるとされている。
◎睡眠遊行の発生!

睡眠遊行はレム睡眠時に起こる。
睡眠にはレム睡眠とノンレム睡眠があるが、
レム睡眠とは「急速眼球運動」のことである。
つまり睡眠中に瞼の下で目玉が
キョロキョロ動いている状態を示します。
この状態は体は眠っていても、
脳が覚醒した状態です。
逆にノンレム睡眠は「急速眼球運動」が無い睡眠で
脳も眠っている状態を示します。
このノンレム睡眠にはさらに1~4段階あり、
4に近づくほど深い睡眠となります。
睡眠遊行はこの中で
深いノンレム睡眠の3~4段階で起きます。
このノンレム睡眠の3~4段階とは
睡眠から早い段階で起きます。
大体、寝て2~3時間程度で集中的に発生する。
◎睡眠遊行の症状!

睡眠遊行中は熟睡の最中ですが、
急に起きだし、虚ろな表情でベッドに腰掛けたり、
部屋の中を歩き回ったり、ブツブツと
意味不明なことをつぶやいたりします。
時には何かから逃げ回るように、
走り回ることもあります。
この時の脳波を測定してみると、
眼を開いて活動しているのに、
脳波は全くの睡眠状態を示します。
睡眠遊行時には障害物をよけたり、
ドアを開いた入りという行動を示すが、
他方では窓から出て落ちたり、
階段を転がり落ちたり、事故に遭うこともある。
そのため家族では家から出ないように
鍵をかけたり、室内を片付けたりする必要がある。
しかし不思議なことに睡眠遊行の最後は
ほとんど自分のベットに戻って終る。
◎睡眠遊行時には

睡眠遊行時には途中で起こそうとしても
なかなか目を覚まさないことがある。
無理に起こそうとすると激しく抵抗し、
殴りかかるなどの暴力をふるうこともある。
成人の場合はこれが原因で
殺人事件に発展するケースもある。
こういう場合は睡眠遊行時の暴力が
刑事責任を問えるのかが争われることになる。
先程書いたように、睡眠遊行は子供に多く見られ、
他方、青年期になると自然に治癒する。
だから子供の場合は神経質になる必要はない。
特に子供は力も弱く、被害も多くないので、
周りの大人が適切に対応することが必要だ。
しかし大人になってもあるのであれば、
気を付ける必要がある。
◎夢遊病?

因みに「睡眠遊行」とは
一般的に「夢遊病」と言われている。
しかしこの言葉を使うのは慎重であるべきだ。
というのもこの症状が発祥している時には、
「夢」を見ていないからだ。
先述したように、
睡眠遊行はノンレム睡眠中に起きる。
ノンレム睡眠中は夢を見ない。
脳も眠っているために、
夢を見ることもないのだ。
そして睡眠遊行中の脳波は
ノンレム睡眠時の脳波と一緒なのだ。
つまり睡眠遊行中の本人は「夢を見ていない」
事実、睡眠遊行中の患者を無理やり起こした時も
「夢を見ていた」という報告は一切ない。
そして本人にも行動中の記憶がない。
現在、睡眠遊行は完全には解明されておらず、
確実な治療法もない。
そしてこれは「睡眠障害」というより、
覚醒時の障害であると考えられている。
というのも正しいノンレム睡眠の脳波を
表しているからだ。
つまり正しい睡眠から
「起きられない」のが問題だと考えられている。
問題は寝ている時ではなく、起きられないこと。
そして夢を見ていない状態である。
そう考えると、夢遊病というのは
間違った名前だといえるでしょう。
