皆さんよく眠れていますか?
このブログでは読んでいただいている方に、
快適な睡眠ができるような情報を提供しています。




三年寝太郎


三年寝太郎3


眠りに関する民話はいくつかあるが、
その中で有名な「三年寝太郎」という話がある。

三年寝太郎はどういう話かというと


干ばつに苦しんでいた村に、三年間眠り続けた
寝太郎という男がいた。

寝太郎は仕事もせず、ただひたすら寝続けていたが、
ある日突然起き出して、山に上って巨石を動かして
その巨席が川をせき止めて、川の水が田畑に流れ、
それによって村の干ばつが救われた。


という話である。



ここでは寝太郎はただ眠り続けていただけではなく、
寝ながら、いかに村を干ばつの被害から救うか
いうことを考えていた。

単に寝ていただけではなく、考えていたんだ。
そこから転じて、何にも考えていたいように見えて
実際にはよく考えていたのだ。

人は見かけによらないという意味にもなる。


このように日本の民話には
異常な人間が富と名声を得るという話や、
これまで何もしなかった人が急に活躍するという
モチーフがよく見られる。






三年寝太郎 異伝


三年寝太郎5


実はこの三年寝太郎には
幾つかのバリエーションがある。

その内の一つに山口県小野田市厚狭地区の話がある。
これはこのような話だ。


厚狭の里の長者の息子である太郎は、
碌に仕事もしないで寝続けていたため「寝太郎」と
呼ばれていた。

寝太郎は三年もの長きにわたって寝続けてきたが、
ある日突然起き出して、父親に船と船一杯の草履
作ってくれるように頼んだ。

父親が用意して、それを寝太郎に与えると、
寝太郎は船を漕ぎだして、どこかに旅立った。


しばらくして寝太郎が戻ってくると、
船の中の新品の草履が、ボロボロになっていた。

寝太郎は父親に大きな桶を用意して欲しいと頼む。
父親が用意すると、寝太郎はボロボロの草履を
洗い始めた


すると汚れた土の中から砂金が出てきた。

寝太郎が行ったのは佐渡島だった。
彼はそこで佐渡金山で働いている者の草履を
無料で交換したのだった。


寝太郎はこれで集めた砂金を元にして、
村の水路を整備して、田を開墾して、
村の百姓に分け与えた。


めでたしめでたし



という話だ。



これは元々の話と構造は一緒だが、
具体的な方策が出てくる。

佐渡島や金山、草履の土から砂金というように。

いずれにせよ寝太郎はただ寝ていただけではなく、
村の将来のことを考えて、知恵を絞っていた。

それも寝ながらに!


ある面、人生の大逆転である。


寝太郎はただ寝ているにあらず、
他と違った感性を持った人物として描かれている。


ただし、日常的にこんな奴がいたら、
ものすごく怒られるだろう。


物語ならではという気がするが。


三年寝太郎1