睡眠と不眠の間に…!

皆さんよく眠れていますか? 眠れていない皆さんに、眠りのメカニズムと眠りの方法を解説します。

迷信

源氏物語に学ぶ平安時代の睡眠!

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源氏物語!

女性5



源氏物語とは平安時代中期に成立した長編物語
貴族の紫式部が作者である。

この作品は主人公の光源氏を通して、
恋愛、栄光と没落、権力闘争などが描かれている。

そして貴族社会の生活を通して、
当時の風習なども書かれている。


そして当然睡眠に
関することにも言及がある。


では実際の源氏物語に書かれた睡眠は
どのようなものでしょうか?




1000年前の起床と就寝!


ネコ10

源氏物語が書かれた約1000年前、
当時の睡眠週間はどのようなものであったか?


当時は明かりがあまりなく、
それ故に起床時間はある程度推定がつく。

それは明るくなると太陽とともに起きる、
というものであった。

当時は「丑寅の境」だった。つまり午前3時ごろ。
夜明けより若干早いがすぐに明るくなる時間だ。

とくに夏至の頃は「天文薄明」と言って、
東方の空が少し明るくなってきて、
六等星が見えなくなる時刻を指す。

「源氏物語」でも下町の庶民が暁に起きだして
活動を始めている記述がある(夕顔)。


これは現在の起床時間より、3~4時間早い




一方、就寝時間に関しては明確な記述がない。
中には夜間に仕事をしていた記述(若紫)も
あったようだ。

起床と比べて、太陽が落ちたから
就寝という訳にはいかなかったようで、
夜間にも若干の作業があった。





室内環境、光!


ネコ2



当時は太陽の光で生活していましたが、
夜間の光が全くなかったわけではありません。

当時は既に中国から輸入したロウソクがあり、
また植物油を使った灯火を使っていました。

ただ両方とも高価であり、なおかつ暗かった。
これらの明かりは豆電球の1/5程度であり、
現代的に言えばかなり暗かった。

ただ源氏物語では、灯火の傍で書物を読めたようだ。

しかし貴族ではそういう生活ができたようだが、
一般庶民はそうではなかった。

ロウソクや灯火などは効果で手が出ず、
一部煮炊きに使った残り火を使用したり、
月明りを使っていた。

これらが庶民の明りであり、
これでは夜間の活動は制限されます。

そして月や星が明るくない時は、
物の形が識別できないほど暗く、
活動は甚だしく制限された。


光源氏も朝の雪明りで姫君の顔を
初めて見て驚く場面があるが、
これは夜間にほとんど見えなかったことを意味する


このような時代は夜間に行動が制限され、
なおかつ朝には起きなければならなかったので、
自然と太陽が出ると起き出す生活をしていた。

つまり安定した睡眠リズムを
刻んでいた可能性がある。

現代社会には照明もコンビニもあり、
24時間の生活が一般的になっているが、
当時はそんなことが考えられない。

一部例外はあっても
「夜は寝る」というのが決まりだった。

というか、それしかできなかった。


月明かりがあり、暗闇は行動が制限されるので、
「物の怪」が出てくる物語が成立する。

このような状況は夜が暗いことで物語が成立する。

源氏物語は当時の睡眠生活を
解明する物語でもある。


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睡眠民俗学というアプローチ!


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睡眠民俗学というアプローチ
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睡眠文化学という学問をご存知でしょうか?

人間は…というかある程度の高等生物は
寝なければ生きていけません。

眠ることは必然であり、
毎日必要なものです。

人間の場合、2日間寝ないと
途端に影響が出てきます。

集中力が削がれ、情緒不安定になり、
体力が衰えます。

そのまま寝ないと死が訪れます。
これはマウス実験などでも確認されています。


寝ないと死んでしまう。


寝ることはそれほどまでに
必要なことなのです。


眠ることは自然なことであり、
生理的な欲求でもあります。

それ故に世界各国で
全ての人が眠りについています。

そこには例外がありません。


たまに眠れない病気というのもありますが、
そういう人は先に書いたように死んでしまいます。

それ故にすべての人が
ほぼ毎日眠っているのです。


それなのに世界各国の睡眠を
比較する学問が無かったのです。






文化人類学のアプローチ

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地域や時代ごとに異なる文化を研究する学問に
文化人類学があります。

その研究領域は「慣習」や「制度」「宗教」などの
「社会の行動規範」や「言語」や「道具」などが
対象となります。

しかしこれらは全て覚醒時の人間の活動
焦点を当てたものなのです。

人間は1/3もしくは1/4ほど眠っています。

つまりこれまでの文化人類学では、
人間の活動のうち、一部しか対象にしなかった。


ところが最近の日本では
この睡眠時のことも文化人類学的アプローチで
解明しようとする動きがある。

これが睡眠文化学です。






食文化研究!


ネコ8


これは同じ生理的欲求の食欲と比較されます。

食に関する文化研究は非常に盛んです。
食に関する「生産」「料理」「食材」
「マナー」などは地域や時代ごとに違います。

例えば同じ米食文化の日本と韓国では
日本は茶碗をもって食べるのがマナーですが、
韓国ではテーブルに置いたまま食べるのが正しい。


同じような食文化でもマナーが違ってきます。


このような食文化は多様な研究があり、
現在では様々な研究テーマが活発に行われている。


しかしその食文化の研究でも
活発に行われるようになったのは
3~40年ほど前からです。


それ以前は「食の研究」などは
研究者自体が極めて少なかったのが実情なのです。


しかし現在では多様な研究者などが、
様々な研究テーマを調べております。

これを眠りにも当てはめようというのが、
最近の睡眠学の研究なのです。


それが睡眠文化学です。



睡眠を生理的活動の一環と捉えず、
生活文化活動の一環と捉える。

そういう「眠り」「睡眠」を
文化として捉える研究が現在求められています。


睡眠文化学はまだ産声を上げてから
10年ほどの短い学問です。

しかし今後は「睡眠=文化」と捉える見方が、
日本だけでなく、世界的にも広まっていくでしょう




ネコ6




色々な国の色々な眠りに関する話!



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我々文明人は「夢」は
実態と違うということを知っている。

確かに「正夢」とか「夢のお告げ」という
考えもあることはあるが、
ほとんどオカルトじみた考えである。

ところで文明人ではない人たちは、
「夢」についてどう考えているのだろうか?





パプアニューギニア人

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パプアニューギニアに住むいくつかの民族は
夢に関して同じような理論を持っている。

このパプアニューギニアの諸民族は
夢に関して、自身の魂や霊魂が、
眠っている間に自分の体を離れて体験するもの
と思っている。

つまり自身の体は眠っているが、
魂は体を離れるが、魂自身が実際に体験している。

それが夢だというのである。

また霊の世界が存在し、魂は遊離した際に
その霊の世界と行き来して、情報交換ができる。

そのため夢によって、病気の情報が手に入ったり
霊界から直接情報を得られると思われている。

こられの民族の考えには体内に
「アスリブ」という存在がある。

「アスリブ」とはいわゆる霊魂の様なもので、
睡眠中にはこのアスリブが体内から遊離している。
さらに意識不明や死もアスリブが遊離すると考える。





ザンビア

ネコ11



アフリカのザンビアでは
夢の体験と現実の区分をしない。

夢の中で体験したことでも「夢で見た」と言わず、
「見た」としか言わない。

だから例えば
「隣村に行った夢を見た」ではなく、
「隣村に行った」という

この話だけでは、夢なのか現実なのかは区分できない。

だからいちいち「夢の中」かどうかを
確認しなければならない。

彼らは基本的には夢の中と
現実の体験を区別をしないで話す。

だからこういう部族は夢の中での経験を
実際の体験と同じような対応をとる。

例えばある部族の男性が、
他部族の女性と密通したという夢を見る。

その時には絶対に他人に語らない。

現実世界の不義・密通は
一族同士の紛争の原因となる。

彼らは夢と現実社会を区別しないで
ある程度連続しているものと捉える。



メキシコ ララムリ民族

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ララムリでも魂は睡眠中遊離すると考えられる。

彼らは人間には「自我」と「魂」があり、
「魂」が体を離れているのが睡眠中と考える。

魂は普段では不可能かこともできると考えられ、
だから死んだ人にも会え、空を飛んだりできる。



マレーシア セノイ族


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他方、セノイ族の人々は夢を積極的に語る。

彼らは夢を他人と共有することで、
平和で理想的な社会ができると信じられている。

彼らは毎朝親族が集まって夢の報告会を行う。
そこで親から子へと夢の見方に対する指導を行う。

そういう指導を受けると、
自分自身で夢をコントロールできるようになる。

実はこの「セノイの夢の共有」は
アメリカでも紹介されており、
夢を語り合うことで自己啓発にもなると注目された。



このように各民族で夢への見方は色々ある。
そして夢の利用の仕方にも色々あった。

ある部族は夢のことは語らず、
ある部族はむしろ夢のことを積極的に語った。

また共通点としては夢とは睡眠中に「魂」が
体から抜け出たものという解釈だ。

だから民族によっては死と睡眠の
区分がついていないものもあった。

一時的に魂が出ているのが睡眠で、
ずっと出っぱなしなのが死ということか。

各民族でいろいろな解釈があるが、
意外に共通点もあったのだ。


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食べてすぐ寝ると、体に悪い!



ネコ6



満腹だと眠りにくい!





前回、満腹でも空腹でも
眠りにくいということを書きました。
http://kaitekisuimin01.com/archives/22929454.html




満腹だとオレキシンという
ホルモンが抑制されて眠たくなりますが、
食べてすぐに寝ると、消化にエネルギーを使うので
眠りにくくなります。



オレキシンは睡眠や覚醒を
制御しているホルモンで、
食事をとると抑制されるようになっています。



しかし食後すぐだと
胃の中に食べ物が残っているので、
消化のために活発に活動します。


そのために休息状態にならず、
眠りにくくなります。







また空腹でも眠りにくくなります。



それは先程のオレキシンの作用です。


満腹時には抑制されるということは
空腹時には分泌が活発になります。


そのため空腹でも眠りにくくなります。







ところで満腹でも空腹でも
睡眠には問題が起こりますが、
満腹の状態で寝る時に
気を付けなければならないことがあります。




それは胃酸の逆流です。



ネコ1




逆流性食道炎!



胃の中には強力に消化するために
胃酸を発生させます。


この胃酸とは強力なものですが、
胃の中には粘膜があり、胃壁を保護しています。


しかし食道には粘膜保護の力が弱く
保護できないのが実情なのです。





通常は食べ物は口から入り、食道を通って、
胃に入りそこで消化されます。


食道では消化が行われないので、
食道の粘膜保護の力は弱い



そこに何らかの理由で
非常に強い胃酸が流れ込むと食道が炎症を起こす


それが逆流性食道炎です。




これは食べ過ぎると、
胸やけ」や「酸っぱい匂いがする」という
自覚症状があるのですぐにわかります。







食道と胃との間には
下部食道括約筋という筋肉があり、
普段は胃酸の逆流を防いでいます。


しかし加齢や肥満、姿勢(背中が曲がる)などで、
下部食道括約筋が緩み、逆流することがあります。



若い人の場合、注意しなければならないのは
脂肪分が多い食事を食べすぎることです。


脂肪分が多い食事はホルモンが働き、
下部食道括約筋を緩めます。



こういう症状だと、睡眠にも影響が出ます。



逆流性食道炎の患者の半分が
何らかの睡眠障害に苦しんでいる
という資料もあります。




それほど逆流性食道炎と睡眠障害は
相関関係があるのです





逆流性食道炎の方が
睡眠の時に気を付けることは



食べてすぐに寝ないということです。



必ず時間程度置いてから
寝るようにしてください。


胃の中で食べ物を消化すると
胃酸の分泌はおさまります。



そしてすぐに横にならないことです。



食べてすぐに寝ると「牛になる」と言いますが、
それは間違いです。


そのことについては
こちらを参照してください。





すぐに横になると
胃酸が逆流する可能性が高まります。


そのことが炎症をおこし、
睡眠(だけじゃないが)を阻害することになります。



昔の言い伝えは
決して意味不明ではないのです。




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